北海道稚内市、稚内空港近く、大沼のほとりにある野鳥観察の施設が大沼バードハウス(稚内市大沼野鳥観察館)。建物のデザインや色は環境に溶け込むようにログハウスになっています。大沼には春(3月下旬~5月下旬)にシベリアに帰る休憩地として、秋(10月上旬~11月下旬)には越冬地への中継点として、多くの白鳥が飛来します。
春秋に白鳥が飛来する稚内空港近くの沼
大沼は、砂州によって海と切り離された海跡湖。
平成6年11月11日にオープンした野鳥観察施設ですが、夏場は、大沼周辺が原生花園になっているため、植物観察の基地としても活用できます。
夏場に観察できる鳥は、ユリカモメ、ウミネコ、ベニマシコ、コヨシキリ、アオサギ、オナガガモ、ノビタキ、オジロワシなど。
双眼鏡や望遠鏡の無料貸し出しも実施。
大沼は和名で、アイヌ語地名はシュプントー(supun-to=ウグイ・沼)で、ウグイが多く棲息したことがわかります。
アイヌは、夏場にウグイを捕り、焼いて天日で干して保存食料にしていました。
第二次世界大戦の後期には、大日本帝国海軍大湊海軍航空隊稚内派遣隊が大現在の大沼バードハウス付近にあり、零式水上偵察機を配備して宗谷海峡の哨戒を行なっていました。
関釜連絡船「崑崙丸」(鉄道省、7,908トン)を撃沈するなど、アメリカ海軍の潜水艦「ワフー」(USS Wahoo, SS-238)は大きな脅威となっていましたが、昭和18年10月11日、稚内派遣隊の零式水上偵察機と宗谷防備部隊の駆潜艇が撃沈しています。
「白鳥おじさん」こと吉田敬直氏が白鳥を呼び寄せた!
もともと大沼には白鳥は飛来していませんでしたが、昭和63年から地元・問声地区の漁師・吉田敬直(よしだよしなお)氏(通称「白鳥おじさん」)が地道な給餌活動を展開し、日本でも有数の飛来地となったもの。
当時小学4年生だった長男が風呂で「ハクチョウを呼べない?」と質問したのが始まりだったとか。
平成元年4月18日に、最初の16羽が到来。
その後、多い年には5万羽を越え「エサ代で家計が圧迫されるくらい」(吉田さん)にまで増加し、今でもシーズンになると2万羽ほどが、羽を休めています。
大沼バードハウス(稚内市大沼野鳥観察館) | |
名称 | 大沼バードハウス(稚内市大沼野鳥観察館)/おおぬまばーどはうす(わっかないしおおぬまやちょうかんさつかん) |
所在地 | 北海道稚内市声問村声問原野 |
関連HP | 稚内市大沼野鳥観察館公式ホームページ |
電車・バスで | JR稚内駅からバスで25分、声問下車、徒歩20分 |
ドライブで | 稚内空港から約4km |
駐車場 | 72台/無料 |
問い合わせ | 大沼バードハウス(稚内市大沼野鳥観察館) TEL:0162-26-2965 |
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