ホロカヤントウ

ホロカヤントウ

北海道広尾郡大樹町晩生にある秘湖がホロカヤントウ。十勝川の河口から西の歴舟川の河口にかけて、長節湖、湧洞沼、生花苗沼(おいかまないとう)と、十勝海岸沿いに連続する海跡湖のひとつで、最西端に位置するのがホロカヤントウ。湖の東には晩生温泉、西には町営育成牧場晩成牧場があります。

湖畔には十勝ホロカヤントー竪穴群がある

ホロカヤントウ

ホロカヤントウは、冬のワカサギ釣りで有名ですが、海岸が原生花園となる夏場に訪れる人は少ない秘湖。
湖畔に到達できるのは、晩生温泉(泥炭層から湧出のモール温泉/日帰り入浴施設)から海岸沿いに走り、十勝ホロカヤントー竪穴群で。
標高15mの晩成海岸段丘上に、2kmにわたって130軒ほどの竪穴式住居跡が発掘されています。
出土した土器は、本州の古墳文化の影響を受けた擦文式土器が中心ですが、北方狩猟民族のオホーツク文化式土器も発見されています。
遺跡の特色は、土器、石器ともに数が少なく金属器が出土していること。
アイヌ文化は、本州の鎌倉時代以降ですが、それ以前に、豊かな漁業資源を背景に、アイヌ文化にも影響を与えた先住民族が暮らしていたことがわかります。

ちなみにホロカヤントウは、アイヌ語のホロカヤント(horka-yan-to=後戻りして・上る・沼)に由来します。
地元の古老の話では、海と隔てる原始砂丘部分が切れて、海水が浸入することがあったといい、沼の水位上昇を意味する地名だと推測できます。
ワカサギももともとは海あるいは汽水に住む魚です。
現在は、 自然繁殖に加え、大樹漁協が孵化放流を行なっています。

ホロカヤントウ
十勝ホロカヤントー竪穴群では竪穴式住居も復元されている
ホロカヤントウ
名称 ホロカヤントウ/ほろかやんどう
所在地 北海道広尾郡大樹町晩成
ドライブで とかち帯広空港から約42km
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
生花苗沼

生花苗沼

十勝海岸沿いに点在する十勝海岸湖沼群のひとつで、大樹町晩生にあるのが生花苗沼(おいかまないとう)。湧洞沼の南西5kmに位置する秘沼です。オイカマナイは、アイヌ語のオイカ・オマ・イ(oika-oma-i=越る・入る・ところ)に由来。つまり高波

ナウマンゾウ化石発掘地

ナウマンゾウ化石発掘地

北海道幕別町忠類の町道忠類元忠晩生線沿いにあるのがナウマンゾウ化石発掘地。昭和44年7月26日、農道の側溝堀の測量作業をしていた2人がつるはしを打ったところカチンと音が。注意深く掘り下げると、湯たんぽ状の模様のある楕円形の固まりが出現。これ

湧洞沼

湧洞沼

北海道中川郡豊頃町湧洞にある十勝海岸湖沼群の中で最も大きい沼が湧洞沼(ゆうどうぬま)。湧洞は、アイヌ語のユー・トー(yu-to=温泉・沼)に由来。幕末の探検家・松浦武四郎はその著『東蝦夷日誌』に「此沼に神霊ありて時々温み、また冷になる(トラ

長節湖

長節湖

北海道豊頃町長節、十勝(とかち)の海岸沿いに連続する十勝海岸湖沼群のうち、十勝川の河口部に最も近い場所に位置する海跡湖が長節湖(ちょうぶしこ)。根室半島にも長節湖(ちょうぼしこ)があるので、「豊頃の長節湖」とも呼ばれています。長節はアイヌ語

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