北海道寿都郡黒松内町にあるブナの森が歌才ブナ林(うたさいぶなりん)。「北限のブナ林」として知られています。大正13年、国の天然記念物指定に向けて調査員として歌才ブナ林を訪れた新島善直博士は、「かくのごとき原始林を残留せるは奇跡というべし」と見事なブナの森を讃えています。
往復4km、所要2時間ほどの遊歩道が整備
戦時中にプロペラに使う木材に最適と、ブナの伐採計画が持ち上がりましたが、その学術的価値から奇跡的に伐採を免れ、現在92haが天然記念物に指定されています。
歌才ブナ林の全域が国有林で、ブナの純林のなかに往復4km、所要2時間ほどの遊歩道が整備されています。
九州など南限域のブナの約4倍もの面積のある巨大な葉にも注目を。
国内のブナの平均寿命が250年なのに対して、歌才では寿命が170年ほどと早死にの傾向があり、巨木が少ないのが残念。
短命を反映して、白神山地のような巨木、老木は見かけません。
散策ルートは、歌才ブナ林駐車公園→(800m15分)→歌才ブナ林入口→(1200m45分)→終点(折り返し地点)。
散策の際の情報は道の駅「くろまつない」、「黒松内町ブナセンター」で入手できるので、まずは道の駅「くろまつない」にお立ち寄りを。
縄文時代(温暖で海面標高も高かった時代)には北海道にもブナ林が発達していましたが、その後、大きく後退し、直近でブナが北海道に上陸し、現在の黒松内低地帯に到達した時期については、花粉分析によりほぼ680年前と確定しています。
日本海には日本沿岸を暖流の対馬海流(つしまかいりゅう)が北上し、大陸沿いに寒流のリマン海流が南下しています。
その対馬海流の影響を大きく受けるのが歌才ブナ林ですが、積丹半島や暑寒別など黒松内以北の日本海沿いになぜブナが分布しないのかは、今も謎となっています。
歌才ブナ林(北限のブナ林) | |
名称 | 歌才ブナ林(北限のブナ林)/うたさいぶなりん(ほくげんのぶなりん) |
所在地 | 北海道寿都郡黒松内町歌才 |
関連HP | 黒松内町公式ホームページ |
駐車場 | 歌才ブナ林駐車公園(15台/無料) |
問い合わせ | 黒松内町ブナセンター TEL:0136-72-4411 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |