旭橋

北海道旭川市、市街中心部を流れる石狩川と牛朱別川(うしゅべつがわ)の合流点に架かる橋が、旭橋(あさひばし)。現存する橋は、昭和2年に架橋された橋で、「旭川のシンボルになる橋」として設計されたもの。北海道遺産、土木学会選奨土木遺産にも認定。

北海道遺産、土木学会選奨土木遺産にも認定

旭橋
旭橋

全長224.82m、幅員18.3mのアーチ橋(ブレースト・リブ・カンチレバー・タイドアーチ橋)で、北海道大学工学部長の吉町太郎が設計。
使われる鋼材はドイツの製鋼会社が開発したウニオン・バウシュタール(Union Ban-Stahl)で、わざわざドイツから輸入しています。

現在の国道40号、当時は陸軍第7師団司令部に通じるという重要な橋で、旭川駅前都を結ぶ旭川市街軌道(路面電車)の師団線も走っていましたが、昭和31年6月9日に廃止されています。

橋には第7師団の師団長・佐藤巳之助中将の筆になる「誠」という文字を中心に、「忠節、礼儀、武勇、信義、質素」の軍人勅諭網領が記された旭日章が高く掲げられ、路面電車が通過する際にも車掌は「気をつけ!」と号令をかけ、戦前は軍都・旭川の象徴的な存在でした。

当初の塗装はフェイサイドグリーンでしたが、戦時下では世相を反映してグリーン・グレーに(鉄製の欄干が軍へ供出、木橋に)、現在はターコイズ・グリーン(スカイブルー)に。
照明も当初のランタン型から全国一律の水銀灯に変更されていましたが、昭和58年に親柱の金属性の灯飾塔、そしてランタン風の照明灯も復元され、往時の雰囲気を取り戻しています。

旭川市には750以上の橋がありますが、大雪連峰を借景にする旭橋は、まさに「旭川のシンボルになる橋」といえるでしょう。

橋の南側には常磐公園(ときわこうえん)、旭川常盤ロータリーがあります。

かつて豊平橋(札幌市)、幣舞橋(釧路市)とともに「北海道三大名橋」に数えられた橋ですが、往時のままに現存するのは唯一、旭橋のみ。
土木遺産に認定されるのも「日本を代表する大型のバランスト型のタイドアーチ橋」だから。

旭橋
旭橋
名称 旭橋/あさひばし
所在地 北海道旭川市常盤通3丁目〜本町1丁目
関連HP 旭川観光コンベンション協会公式ホームページ
電車・バスで JR旭川駅から徒歩30分、または、道北バスで10分、常磐公園前下車、徒歩3分
ドライブで 旭川空港から約18km
駐車場 なし
問い合わせ 旭川観光物産情報センター TEL:0166-26-6665
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