ミンクといえばかつては高級毛皮の代名詞でしたが、ミンク自体は北米原産のイタチ科の動物(アメリカミンク)。当然、日本にはいなかった動物ですが、現在では北海道を中心に、福島県、長野県、宮城県、群馬県などでも生息が確認されています。実は野生化したミンク、飼育場から脱走したミンクが大部分です。
もともとは毛皮を穫る目的で大手資本も飼育に参入

戦前、日本国内では各地で毛皮養殖業が行なわれていましたが、養殖された動物は北日本の寒冷地でキツネ、全国(おもに福島、新潟、京都、岡山)でタヌキが、群馬県北軽井沢でカナダ産のキツネといった具合でした。
その他にも陸軍が買い取ったウサギの毛皮もあり、農家の副業でウサギが飼育されていたのです。
日本国内に毛皮を穫る目的でミンク飼育が導入されたのは、昭和3年ですが、この時はわずかに4頭でした。
ミンクの飼育が本格化したのは戦後で、昭和28年には北海道庁が種ミンク輸入、三井物産が東邦ミンク設立し、昭和33年、皇太子ご成婚の際、美智子皇太后がミンクのストールを使ったことで一躍、ミンクブームが到来します。
大手水産会社・大洋漁業(現・マルハニチロ)の捕鯨部や貿易部がミンクの飼育に参入し(大洋ミンク)、輸出産業にもなって、道東を中心に飼育場が数多くつくられました。
昭和50年代(バブル期が最盛期)が飼育の全盛期で、その後は衰退。
日本の指導で韓国や中国での生産が増大したことを受け、平成13年、最後に残された大洋ミンク鶴居飼育場が閉鎖され、日本のミンク飼育は終焉しています。
知床半島の世界遺産エリアにまで侵入
そのミンクですが、昭和30年代に飼育場から脱走して野生化したことが確認されています。
日本国内で野生化したアメリカミンクは、外来生物法に基づく特定外来生物および、狩猟鳥獣に指定されています。
生息場所は、海岸部、河川や湖沼沿いなどで、北海道の道東、海岸沿いの湿原地帯などは、北米にも似た絶好の生息環境となっています。
飼育下では晩秋が繁殖期で、翌年春に出産。
肉食で、ノネズミ、鳥、カニやエビな、魚類、両生類などを捕食します。
そのため、養魚場、養鶏場などが被害にあうケース、トウホクサンショウウオへの寄生虫感染などの被害、在来イタチ科との縄張り争いなどが危惧されています。
実は栃木県内などで「カワウソに似た動物を見た」などという目撃報告は、野生化したミンクの可能性が大。
北海道でも阿寒湖周辺でもミンクをみかけることもあり、阿寒湖では増大化が危惧されているのです。
平成18年には世界自然遺産に登録の知床半島の世界遺産エリア内(羅臼町・羅臼川中流部)でもミンクの侵入が確認され、環境省もその生息地の拡大を危惧しています。
外来生物法では、すでにミンクは「飼育・栽培・保管及び運搬の禁止」、「日本国内への輸入の禁止」、「野外放出の禁止」、「引渡しや販売の禁止」が定められています。
| 北海道などに生息するミンク、実は飼育場からの脱走! | |
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