全面結氷した湖で、湖面の一部がせり上がり、「筋」になる現象のこと。長野県・諏訪湖では諏訪大社の神様の通り道ということで「御神渡り」(おみわたり)と称されていますが、近年は温暖化で出現する回数が激減。今も毎年のように出現するのは、北海道・弟子屈町(てしかがちょう)の屈斜路湖(くっやろこ)です。
神々が宿る屈斜路湖、2月下旬に御神渡りが!
屈斜路湖は、美幌峠(びほろとうげ)から見渡す絶景でも知られる観光地。
屈斜路カルデラのカルデラ湖ですが、冬季には全面結氷する湖です。
諏訪湖の御神渡りの観察は、例年だと立春の2月上旬ころまでですが、屈斜路湖で御神渡りができるのは意外に遅く、2月下旬〜3月初旬。
湖面の氷が日中と夜の気温差で収縮・膨張を繰り返し、道のように盛り上がる現象のため、少し春の日差しで日中の気温が上がる2月下旬のほうが、メカニズム的にはできやすい条件ということに。
つまりは2月下旬〜3月中旬頃、寒い冬なら3月下旬ころまでが「御神渡り」誕生の時期ということに。
通常は3月に入ってからが狙い目で、3月も下旬には氷も緩み始めるので、注意が必要です。
2024年も写真映えのする御神渡りが誕生したのは、3月初旬でした。
御神渡りは英語で、アイス・プレッシャー・リッジ(Ice Pressure Ridge)で直訳すると氷の丘脈。
アイヌも「カムイ・バイカイ・ノカ」(神の歩いた跡)と呼んだというので、神秘さを「神の通り道」と考えるのは和人もアイヌも同じということに。
屈斜路湖の御神渡りも温暖化の影響を受け、徐々に誕生するケースが減少、あるいは誕生しても規模が縮小する可能性が危惧されています。
不凍湖と結氷湖の中間に位置する摩周湖も、不凍湖に近づきつつあるということです。
![屈斜路湖・御神渡り](https://i0.wp.com/hokkaido-travel.com/wp-content/uploads/2025/02/kusssyaro-PressureRidge01.jpg?resize=728%2C486&ssl=1)
「屈斜路湖の御神渡り」、例年は2月下旬に誕生! | |
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