北海道東部、弟子屈町(てしかがちょう)にある屈斜路カルデラのカルデラ湖が屈斜路湖(くっしゃろこ)。湖面面積79.54平方キロで、日本第6位という巨大な湖です。もちろんカルデラ湖としては日本最大。全面結氷する淡水湖としても日本最大で、厳冬期には諏訪湖で有名な「御神渡り」(おみわたり)を観察することも。
日本最大のカルデラ湖を探勝
屈斜路(くっしゃろ)という地名は、アイヌ語のクチャラ(kutcar=のど口/クチャロ・kutcaro)の意。
釧路川の源流となる流出口近くには、幕末の探検家・松浦武四郎(『久摺日誌』に記載)も立ち寄ったアイヌの集落(コタン)があり、そのコタンから、クッチャロの名は有名だったのです。
弟子屈町では、クッシャロは、「湖の水が流れ出る川口」と訳しています。
湖は、アイヌの慣習で、特別の名はなくただトー(to=沼・湖)と呼ばれていたと推測できます(これは北海道最大の湖であるサロマ湖などでも同様です)。
屈斜路カルデラは東西26km、南北20kmの日本最大のカルデラ(阿蘇カルデラ=東西18km、南北25km)。
巨大な湖の中央には中島があり、この中島は実は溶岩円頂丘。
面積5.7平方キロ、周囲12kmは、湖中の島としては日本最大です。
南岸から中島に突き出した和琴半島では、その先端(湖側)に今も噴気を上げるオヤコツ地獄(松浦武四郎も立ち寄り、『久摺日誌』に記載されています)がありますが、この和琴半島ももともとは屈斜路湖の火山島。
尾札部川(おさつべがわ/上流に外輪山から落下する幻の滝・オサッペの滝があります)から流出する土砂の堆積で陸繋島(りくけいとう)になったもの。
半島を一周する和琴半島自然探勝路が整備されているので、時間が許せばぜひ探勝を。
カルデラ外輪山の展望台から湖を眺望
巨大な屈斜路湖を眺めるポイントは、国道243号途中の美幌峠(道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」)、道道102号(網走川湯線)沿いの藻琴峠(「ハイランド小清水」)、さらには藻琴峠展望駐車公園が有名ですが、もっとも標高の高い津別峠展望台、さらには摩周湖第三展望台からも眺望できます。
あまり知られていませんが、屈斜路湖の北岸に、屈斜路湖畔林道がありますが、走行には原則として地元営林署の入林許可が必要です。
北岸には藻琴山からの沢がありますが、砂金採掘をされたという沢もあります。
屈斜路湖は、湖中の温泉湧出により、魚が絶滅状態でしたが、近年、放流もあってアメマス、ニジマスなどが増えています。
モーターボートによる周遊は、「砂湯レストハウス レタラチップ」で。
ドライブなら、単に国道243号で美幌峠を越えるのではなく、川湯温泉〜仁伏温泉〜砂湯〜コタンと湖の南岸を走る道道52号(屈斜路摩周湖畔線/クッシー街道)、藻琴峠を越える道道102号(網走川湯線)もおすすめです。
ダート好きな人は、道道588号(屈斜路津別線)で津別峠へ。
ちなみに、アトサヌプリ(硫黄山)、サワンチサッブ、マクワンチサップなどの溶岩ドーム群、摩周火山(摩周湖)は、もともと屈斜路湖のあった場所(屈斜路カルデラの火口原)で、火山活動により誕生したもの。
摩周湖は、屈斜路カルデラ内にある、摩周カルデラという二重複式のカルデラなのです。
なお、かつてネッシーならぬクッシーの目撃が相次いだことがありましたが、魚の生息数の少ない屈斜路湖で大型の生物が生存する可能性はなく、ヒグマが中島へと渡るのを誤認したのではなどと推測されています。
屈斜路湖 | |
名称 | 屈斜路湖/くっしゃろこ |
所在地 | 北海道川上郡弟子屈町 |
関連HP | 摩周湖観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 釧路空港から約80km |
問い合わせ | 摩周湖観光協会 TEL:015-482-2200 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |