積丹半島の西海岸を走る国道229号(雷電国道/にしん街道)沿い、神恵内村(かもえないむら)にある展望台。国道脇の駐車場から徒歩10分、高台の安内小学校跡地に造られた展望台が「あんない展望公園」です。通過しがちなスポットですが、国道から階段状の遊歩道が展望台へと延びているので、晴れた日ならぜひ寄り道を。
ニシン全盛時代には漁村として賑わったオブカル石にある展望台
神威岬から南側、いわゆる西積丹は、訪れる観光客も少なく、今でも秘境ムードが漂っています。
国道229号が開通したのは平成9年。
開通後の観光客増を当て込んで、築かれた展望台のひとつ。
あづまやを兼ねた展望台には双眼鏡も設置され、眼前の窓岩、国道開通後も秘境であるジュウボウ岬とその根元にある西の河原方面を眺望できます。
ジュウボウ岬手前の沢にはシシャモナイの滝が落ちていますが、国道は西の河原トンネルで抜けているので、眺めることはできません。
神恵内村は明治時代にはニシンの群来(くき)に湧き、東北などからの労働者も多く、賑わいを見せていました。
廃校となった安内小学校も、歴史は古く、明治17年に寺子屋として始まりました。
明治43年に珊内教育所、さらに大正6年に安内尋常小学校、戦後の昭和22年には神恵内村立安内小学校となりましたが、ニシンもめっきりとれなくなり児童不足で昭和42年に廃校に。
そんな小学校の歴史を刻んだ「心勿忘の碑」、「親子像」が残されています。
安内小学校のあるオブカル石地区は、20戸ほどの家があり、商店も4軒ほどあり、賑わいがあったそうです。
ただし、オブカル石とノット(南側の集落)の海岸道は命の危険さえある険路で、波にさらわれる人もいたとか。
そんなオブカル石地区ですが、今は廃村で無住です。
アイヌがカムイミンタラ(神の庭)と畏怖した西の河原への遊歩道も今では廃道で、船でしか渡れない聖地になっています(海岸沿いのアプローチは危険です)。
沖を通る船の難所でもあったので、「地獄の賽の河原」ともいわれていました。
近くに地獄洞、極楽洞、血の池なども残されています。
1856(安政3)年に記された松浦武四郎の『蝦夷日記』に「西の河原と和人が呼ぶ地あり」との記述があります。
あんない展望公園 | |
名称 | あんない展望公園/あんないてんぼうこうえん |
所在地 | 北海道古宇郡神恵内村珊内村オブカルウス145-1 |
関連HP | 神恵内村公式ホームページ |
ドライブで | 札樽自動車道小樽ICから約80km |
駐車場 | 15台/無料 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |