丸山遠見

丸山遠見

北海道苫小牧市、樽前山(1041m)の山麓に広がるトドマツ、エゾマツなどの大樹海。その一角、勇払川と苫小牧川の源流部の尾根上の327.3mのピークが丸山遠見です。支笏湖と苫小牧を結ぶ国道276号の入口(旧王子軽便鉄道十哩駅跡)に口無沼風景林と丸山遠見望楼の表示があるので、そこから林道に入ります。

望楼から日本一の樹海を一望に

丸山遠見
樽前山、風不死岳方面の眺め

林道には分岐(標高222m地点)もありますが表示を見落とさなければ、標高286m地点で尾根上を走る丸山遠見林道(全長1km)に入ることができます。
丸山遠見林道に入れば、西から尾根沿いに丸山遠見の山頂へ到達します。

山頂部には昭和以降で4代目となる丸山遠見望楼(展望塔)も建てられています。
樽前山噴火を受けて大正7年、丸山遠見と命名されたのを機に初代の櫓が建てられ、以来、森林火災の発見などに機能してきたもの。
丸山地区は営林の拠点にもなっていたため、昭和17年には木造2階建て、2階部分総ガラス張りの「丸山遠見望楼」が建設、戦争末期には防空監視所としても活用されました。
昭和29年の洞爺丸台風の被害を受けたため、改築され、さらに昭和54年に木造4階建て、高さ13mの望楼が新築。
現在の望楼は昭和以降で4代目となる平成13年築のもので、道産杉材を使用。

丸山遠見望楼に上れば、樽前山はもちろん、風不死岳(ふっぷしだけ)、丹鳴岳(になるだけ)、漁岳(いざりだけ)、空沼岳(そらぬまだけ)、紋別岳など支笏カルデラを取り巻く山々(カルデラ外輪山)と、勇払原野や苫小牧方面、遠く夕張や日高を一望にできます。

注目は、眼下に広がる大樹海。
日本広といえど、これほどの大樹海を目にできるところは少ないのです。
遠見という名も、樹海を一望という意味なのです。
一帯の大樹海は元文4年(1739年)の樽前山の大噴火後に誕生した森で、昭和29年の洞爺丸台風後に人工林が加わっています。

ちなみに風不死岳もアイヌ語のフプウシヌプリ(hup-us-nupuri=トドマツ・群生する・山)で、周囲のトドマツ樹海を物語っています。

近くには同レベルの秘境、口無沼もあるので時間が許せば寄り道を。
また、丸山遠見近くの勇払川には丸山遠見の滝が落ちていますが、満足な道もなく、ヒグマも出没するので地元に精通する人のガイドがないと到達できません。
また、丸山川には七条大滝が落ちていますが、こちらも国道276号沿いの第一縦断林道から往復2時間30分も歩くことに(第一縦断林道、鳥柵舞林道、北五条林道を歩きます)。

王子軽便鉄道十哩駅跡が入口校舎は営林署車庫改造

王子軽便鉄道(おうじけいべんてつどう)は、苫小牧に王子製紙の工場を開設するため、その電力供給のための千歳川上流部の電源開発と、木材搬出を目的に、明治41年に馬車鉄道として敷設されたナローゲージの鉄道。

大正11年からは支笏湖観光の観光客も乗車できるようになりましたが、バス輸送の充実で昭和26年5月10日に全線廃止されています。

途中駅に、六哩(ろくまいる)、十哩(じゅうまいる)、十二哩(じゅうにまいる)、十三哩(じゅうさんまいる)とあるのは、当時の距離計算がマイル計算だったため。
樽前山山腹の樹海に駅を設置する際に、駅名とする地物がないため、苫小牧からの距離(マイル)を駅名にしたのです。

丸山遠見への苫小牧側からの入口(丸山林道との交差する場所)は十哩駅跡。
十三哩駅あたりには営林の拠点となる丸山集落があり、苫小牧市立苫小牧東小学校丸山分校、後の丸山小学校がありました(昭和24年児童31人で開校、校舎は営林署車庫改造、昭和57年閉校)。

丸山遠見
名称 丸山遠見/まるやまとおみ
所在地 北海道苫小牧市丸山
関連HP 苫小牧市公式ホームページ
ドライブで 道央自動車道札千歳ICから約26km
駐車場 10台/無料
問い合わせ 苫小牧市観光振興課 TEL:0144-32-6448
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
口無沼

口無沼

北海道苫小牧市、樽前山(1041m)山腹、樹海の一角に眠る口無沼(くちなしぬま)は、その名の通り、注ぎ込む川も、流れ出る川もない沼。昭和29年の洞爺丸台風と平成16年の台風18号の風で倒れた木も多いのですが、それでもまだまだ一面の樹海といっ

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