十勝海岸には、十勝川の河口から広尾町(南西側)方面に向かい、長節湖(ちょうぶしこ)、生花苗沼(おいかまないとう)、ホロカヤントウなどの湖沼群が連続します。そのなかで比較的手頃に到達できるのが湧洞沼(北海道中川郡豊頃町)。北岸の湧洞沼見晴台に立てば、十勝海岸らしい茫洋(ぼうよう)さを体感できます。
丘の上は、十勝海岸らしい別天地!

砂州と原始砂丘で太平洋と隔てられた湧洞沼ですが、砂州の先端部(南西側)にある湧洞浜まで北海道道1051号(湧洞線)が通じており、舗装道路の快適なドライブで沼畔まで到達できます。
道道1051号(湧洞線)が海岸に出る直前に駐車場があり、背後(北側)の丘に踏み跡が見えます。
この踏み跡を登った丘の上が、湧洞沼見晴台。
展望施設などはなく、周囲はお花畑で、いかにも十勝海岸らしい別天地です。
標高は23mほど、地形的には典型的な原始砂丘で、湧洞川の河口に磯波で砂が堆積、砂丘と砂州を形成しています。
つまり、湧洞沼は海跡湖です。
またその展望台から原始砂丘を尾根沿いに500mほど歩くと、通称「湧洞の丘」と呼ばれるビューポイントがあり、湧洞沼と日高山脈というワイドなパノラマを得ることができます。
ただし、表示などはなく踏み跡も定かでないため、テキトーに探すしかありませんが、一部に藪漕ぎもあり、ヒグマの出没などには十分な注意が必要です(植物の保護に留意を)。
【結論】
かってライダーたちが目指した北海道の秘境、手垢のつかない、そんな貴重な空間が湧洞沼には今も残されています。
Photo/大石正英

ここに注目! 訪れる価値ありの植物群落
一帯は豊頃町の天然記念物「湧洞湖畔野生植物群落」に指定。
北海道の太平洋沿岸では珍しい、コケモモ、ガンコウラン、ハクサンチドリなど日本アルプスなどに生育する高山植物や、ハマナス、ハマエンドウ、エゾカンゾウなどの海岸草原植物が混生しています。
アルプスの山上と、北の海岸風景が合体したような植物景観となっているのです。
【十勝風景街道】「湧洞沼見晴台」は十勝海岸らしい茫洋さ! | |
名称 | 湧洞沼見晴台/ゆうどうぬまみはらしだい |
所在地 | 北海道中川郡豊頃町湧洞 |
ドライブで | とかち帯広空港から約51km |
駐車場 | あり/無料 |
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