旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)

明治20年11月、檜山爾志郡役所(ひやまにしぐんやくしょ)兼江差警察署庁舎として落成した道内唯一現存する郡役所の庁舎。檜山爾志郡役所は、1678(延宝6)年、江差地方に自生する檜、翌檜(アスナロ)の伐採取締番所として、檜山番所が上ノ国から江差に移転したことに始まる歴史ある役所です。現在は江差町郷土資料館として再生。

アーリーアメリカン調な外観も素敵

上ノ国から江差に移転した檜山番所は、その後檜山奉行所(ひやまぶぎょうしょ)となり、明治12年の郡設置(明治11年、郡区町村編制法制定)で檜山郡と爾志郡(にしぐん)を統括する郡役所となっています。
明治30年、郡役所制度廃止で檜山支庁兼江差警察署となり、昭和3年の檜山支庁新築移転後は、江差警察署として使われていました。

昭和43年、江差警察署が新築され、建物が北海道から江差町に移管されると、昭和46年からは江差町役場分庁舎として活用されました。平成4年に北海道有形文化財に指定され、平成5年の江差町役場庁舎新築移転で庁舎としての役割を終え、4億5000万を費やした修復後に「江差町郷土資料館」として一般公開。

修復工事では創建当時に貼られた京都の「かしま織り」の布クロスも発見されていますが、職人が手作りで復元した天井飾り(メダイオン)など細部にも注目を。
館内では江差の自然、考古、歴史、民俗を常設展示しています。

土方歳三嘆きの松
明治元年、旧幕府軍を率いてた榎本武揚(えのもとたけあき)は軍艦「開陽丸」で江差に上陸。
姥神大神宮の西隣にあった旅館「能登屋」で休息の榎本に開陽丸沈没の知らせが届くと、土方歳三(ひじかたとしぞう)と榎本は、旧幕府軍本陣の順正寺(現・東本願寺別院)に向かいます。
途中、すでに役人は逃げて無人となった檜山奉行所前を通りますが、土方は沖に沈む「開陽丸」を目にして、こぶしで松を叩いたと伝えられています。
今も建物前にある松の古木が「土方歳三嘆きの松」。



 

旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)
名称 旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)/きゅうひやまにしぐんやくしょ(えさしちょうきょうどしりょうかん)
所在地 北海道檜山郡江差町中歌町112
関連HP 旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)公式ホームページ
電車・バスで JR江差駅から徒歩20分
ドライブで 函館空港から約80km
駐車場 5台/無料
問い合わせ 江差町郷土資料館 TEL:0139-54-2188/FAX:0139-54-2188
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
 

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