モアン山という名前を聞いたことがある人は、まずいないでしょう。北海道、根釧原野の北辺、中標津町から裏摩周展望台へと向かう北海道道150号(摩周湖中標津線)を走ると、日本離れした広大な牧草地帯に、台形の山が見えてきます。これがモアン山(もあんざん)ですが、山腹になんと「牛」という文字がくっきり。
JA計根別乳牛育成牧場の牧草地に「牛」の文字が!

モアン山は標高356.2m。
知床連山の西端部、温泉富士の前山的な存在ですが、周囲が牧草地帯で、「牧草地帯の中の独立峰」という特異な存在。
北海道道150号(摩周湖中標津線)を中標津市街地側から裏摩周展望台を目指して走ると、養老牛温泉からの北海道道505号(養老牛計根別停車場線)との交差点あたりで、正面にドンと「牛」の文字が飛び込んできます。
人工物のない広大な牧草地帯の独立峰に、「牛」の文字という、不思議な光景ですが、放牧時期を除けば山頂に立つこともできるのです(決められたルートを通ることが条件)。
根釧原野の北端という立地から、モアン山頂上からは根釧台地を一望に。
中標津町の北海道遺産に登録される「格子状防風林」を眼下にすることができ、開陽台にも劣らない絶景です。
ただし、観光シーズンの5月下旬~10月末は、周辺がJA計根別乳牛育成牧場として牛が放牧されているため、入山できません。
この「牛」という文字、2005年に地元の農家、JA計根別の職員による有志の会が築いたもので、牛乳と養老牛の牛をイメージさせる目的があったのだとか。
2025年で20周年を迎えるという「牛」文字ですが、20年の歴史を誇る割にはまだまだ知られない存在なのは、訪れる人の少ない道東の秘境地帯だから。
モアン山の裏側(西側)を開陽台とJR美留和駅を結ぶ北根室ランチウェイ(コロナ禍以降、閉鎖中)が通っていて、その分岐から登頂する仕組みです。
分岐までは北海道道505号(養老牛計根別停車場線)のチェーン装着所から放牧期間外のみアクセスできます。
ちなみに、モアン(mo-an)は、アイヌ語で「静か」または「小さい」を意味するモ(mo)と「そこにある」を意味するアン(an)を組み合わせた地名。

日本離れした広大な牧草地に「牛」の字が! 不思議スポット・モアン山へ | |
名称 | モアン山/もあんざん |
所在地 | 北海道標津郡中標津町養老牛 |
関連HP | なかしべつ観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 中標津空港から約27km |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 中標津町経済振興課 TEL:0153-73-3111/FAX:0153-73-5333 |
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