知床の秘湯名湯を温泉ソムリエ・板倉あつしさん、温泉達人の飯出敏夫さんと回ります。
板倉さんが、「ここはいいねぇ、個人的には非常におすすめしたい」というのが、知床半島ではもっとも先端(知床岬)に近い場所に湧く(一般に入浴できる温泉としてですが)、相泊温泉露天風呂です。
根室海峡の先には国後島が横たわる
羅臼から知床半島の先端に向かってさらに車を走らせると、もうこれ以上道がないという、どん詰まりが相泊漁港です。
その少し手前に湧くのが相泊温泉露天風呂。
昆布漁を営む地元の人々が海岸を採掘した温泉で、7月から9月頃の昆布漁シーズンには、玉石の浜に小屋掛けもできます。いちおう仕切りが設けられ男女別になってはいますが、ご覧のとおり海に向かって開け放たれた状態。海側からは丸見えです。
このワイルドな風情と気さくなムード、そして、大海原越しに国後島(くなしりとう)を眺める極上のロケーションに、秘湯ファンにも大人気のスポットとなっています。
「目の前に見えるのは根室ですか?」なんてトンチンカンな質問をする人もなかにはいますが、目の前に横たわっているのは北方領土の国後島です。
達人は「湯船の底から温泉が湧く」に注目
「とくに強調したいのは、湯船の底から温泉が湧いていること。しかも適温。それがスゴい」と飯出さん、板倉さんは声を揃えて強調します。入浴したら、ぜひその辺もチェックをお願いします。
「泉質は食塩泉で、湯上がりはポカポカに! 入浴は自由ですが、地元の人が管理する温泉なので、くれぐれもマナーを守って利用してください」(案内をしてくれた観光船知床アルランの湊謙一さん)