北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷、大雪山国立公園を流れる十勝川水系音更川(おとふけがわ)に昭和31年に築かれた電源開発(Jパワー)の発電専用ダムが、糠平ダム(ぬかびらだむ)。ダム湖は北海道で第3位の湛水面積を誇る糠平湖で、ダム近くにはぬかびら源泉郷があります。土木学会選奨土木遺産にも認定。
土木学会選奨土木遺産にも認定されるコンクリートダム
堤高76m、堤頂長293mの重力式コンクリートダムで、「ひがし大雪自然館」でダムカードを配布。
当時最大規模の国産機械やダムコンクリート施工では前例のない蒸気養生を採用することで、寒地での短期施工を実現して建設され、今なお道東エリアの電力安定供給に貢献し続けていることが土木学会に評価されたもの。
糠平ダム下流の糠平発電所で発電した水を、十勝川支流・美里別川に導水して芽登第一(元小屋ダム、糠南ダム)・第二発電所(宇煙ダム)で発電、さらにその水を活込ダムに貯水して足寄発電所で発電、最終的に利別川に流し、合計13万7500kWの出力を得ようとする計画で築かれたダムです。
ダム湖(糠平湖)周辺には、タウシュベツ川橋梁などの旧国鉄士幌線の橋梁群が残され、北海道遺産「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」に認定されています。
大雪山系の森林輸送などを目的に、帯広駅〜十勝三股駅に国鉄士幌線が開通したのは、大正14年12月10日。
昭和28年7月、電源開発(Jパワー)が糠平ダム建設をスタートさせ、糠平駅がダム湖(糠平湖)に沈むことになったため、昭和30年8月1日、清水谷駅〜幌加駅間のルートが変更されています。
昭和62年3月23日に廃線となり、ダム近くにあった糠平駅も廃止されています。
ちなみに糠平という地名は、アイヌ語のノカ(noka=〜に似たかたち)・ピラ(pira=崖)で人の姿の崖があったことに由来しますが、その崖(柱状節理の発達した安山岩の断崖)も糠平ダムの建設で糠平湖に沈んでいます。
糠平ダム | |
名称 | 糠平ダム/ぬかびらだむ |
所在地 | 北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷 |
関連HP | 電源開発(Jパワー)公式ホームページ |
ドライブで | 道東自動車道音更帯広ICから約50km |
問い合わせ | ひがし大雪自然館 TEL:01564-4-2323 |
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