暑い夏の日が続くと、「どこか涼しいところ行きたいな」という想いがつのります。実は平地で「日本一涼しい場所」が北海道東部、根室・釧路地方です。 釧路市街を取材したときに耳にしたこんな笑い話が・・・。 「釧路では気温が20度を超えると人影がなくなる」。 20度なら少し寒いくらいじゃないかと思うのですが、夏場でも20度を超えることが少ないという例え。
北海道最高気温低い順ランキング
それでは平成27年8月8日の「北海道最高気温低い順ランキング」を見てみましょう。
1.羅臼 16.8度 2.根室 17.1度 3.榊町 17.2度 4.上標津 17.5度 5.知方学 17.6度 5.弟子屈 17.6度 前日の平成27年8月7日は、1.納沙布15.2度、2.知方学15.4度、3.根室中標津15.6度、4.榊町15.8度、4.弟子屈15.8度、6.羅臼16.1度、6.標津16.1度
知られざる「北海道最高気温低い順」は、知方学(ちっぽまない/釧路郡釧路町仙鳳趾村知方学)です。
北海道ツウのなかでは有名なアイヌ語由来の難読地名ですが、尻羽岬・昆布盛海岸とともに今だ訪れることの少ない道東の秘境エリアになっています。
知方学の2kmほど東には北海道屈指の「秘岬」に数えられる尻羽岬があります。
ライダー全盛時代に「北海道三大秘岬」(落石岬・雄冬岬・地球岬)が喧伝(けんでん)されました。今ではそれらの秘岬がメジャーになりましたが、尻羽岬は今も秘められたまま。
上位常連の榊町は、厚岸郡浜中町榊町で霧多布湿原の海岸部分です。
北海道冷涼地に共通するのは「海霧」
「北海道最高気温低い順ランキング」の上位常連の知方学や榊町は太平洋側(暖流)、羅臼はオホーツク海側(寒流)、納沙布岬はその境界と海域は異なりますが、共通するのが「海霧がかかりやすい」点です。
さらにいえば「陸地の東側」。日本アルプスや日高山脈などでも雪渓が残るのは東側。午後に日の当たる西側は温かいのです。 以上の条件をみたす羅臼は、夏真っ盛りでも最高気温はおおよそ17度から18度くらい。20度を超えることはまずないという冷涼な地なのです。