猛暑を避けるための旅先として、もっともおすすめなのが道東。とくに釧路、根室は最高気温がせいぜい20度程度というクールゾーンです。その釧路、根室を旅する際に注意したいのが地震対策(30年以内に、80%程度の確率)。実は千島海溝、日本海溝で大規模な地震が発生した際に、津波に襲われる危険性が高いのです。
実は、南海トラフ地震と同程度に切迫!

北海道以外で暮らしていると、北海道、とくに道東ではしばしば報道されている日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震を知る機会はありません。
2011年に発生した東北地方太平洋沖地震のように、日本海溝及び千島海溝沿いの領域では、過去にもマグニチュード7~9の大小さまざまな規模の地震が多数発生していますが、最大規模の巨大地震が発生した際には、最大で高さ30mの津波が押し寄せ、東北地方太平洋沖地震の2万人の被害を大きく上回る19万9000人もの死者が想定されているのです。
釧路市街の場合、標高2mの釧路市役所では、地震発生後27分後に30cm浸水、地震発生から34分後には5.9mにまで及ぶ浸水が発生すると推測されているのです。
30cmというと、すでに徒歩、車での避難はできない状況ですが、釧路市街地には避難に最適な高台がないため、ビルの高層階に避難することが大切となります。
釧路を訪れる旅行関係者は、「頑丈な造りのホテル、しかもなるべく高層階を予約しておけば、いざというときに安心できる」と、市街地では高層のシティホテルを選んでいるとのこと。
釧路湿原は、もともと縄文海進時は海だった場所なので、津波の浸入も想定されますが、南側の一部を除いては浸入しないという想定になっています。
千島海溝を震源とする最新の地震は、1973年6月17日の根室半島沖地震(釧路、根室で震度5、津波は花咲港で2.8m)。
その前が、1894年3月22日、1843年4月25日で、1843年の地震は規模が大きく、根室・花咲港には7mもの津波が押し寄せたほか、厚岸(あっけし)の村落を津波が呑み込んだと伝えられています。
平均活動間隔は、65年ほどなので、これから30年以内に、80%程度という高い確率になるのです。
地震の規模はM7.8~8.5程度と推測されていますが、巨大な地震だった場合は、釧路市東の昆布森海岸には20m以上の津波が押し寄せる予想です。
道外ではあまり知られていませんが、南海トラフの巨大地震同様に、かなり切迫した危険があるということに。
旅先で遭遇する確率的には、まさに「万が一」ですが、備えあれば患いなしです。

この夏、釧路・根室を旅する人は、地震対策にも留意を! | |
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