利用者減少でもなんとか存続! 根室と釧路を結ぶ「特急ねむろ号」

根室と釧路を結ぶ公共交通機関としては、日本最東端の鉄道路線であるJR花咲線(根室本線)がありますが、目下1日5往復、最速達の快速「はなさき」で所要2時間11分、乗車券3080円。これに対抗するのが根室交通の都市間バス「特急ねむろ号」なのですが、近年利用者の減少で、廃止も囁かれ始めています。

JR花咲線の減便をカバーする「特急ねむろ号」

根室バスターミナルで、特急ねむろ号のチケットを購入

根室半島にあり、根室振興局(かつての根室国、根室支庁)が置かれているのが根室市。
釧路港を有し、釧路総合振興局(釧路国、釧路支庁)のある大都市が釧路市です。

根室の根室交通、そして釧路を拠点とするくしろバスが、かつては共同運行していた都市間バスが「特急ねむろ号」ですが、地元の人は車で移動することが多く、利用者の減少、補助金の打ち切りから2025年10月、くしろバスが撤退、根室交通の単独運行になっています。
国庫補助のほか、北海道、根室市、浜中町、釧路市、釧路町の補助金で赤字を補填していますが、利用者数が国の基準を満たさなくなったために国庫補助が打ち切られたのです。

根室交通は根室〜中標津〜札幌に、曜日限定で「札幌根室オーロラ号」(往復とも夜行便)を運行していますが、こちらも少し先細りの傾向で、かつてあった根室〜札幌直行便は「当面の間、運休」(2025年12月現在)という状況。


「特急ねむろ号」は、根室駅前バスターミナル〜釧路駅前を2時間45分で結んでいます(土休日には2時間30分で結ぶ便も)。
片道2290円でJRよりも安く、病院などへ往復に使われる貴重な足として存続。
車内は3列シート、トイレ付きという豪華な仕様で、バス好きなら乗る価値は十分にあります。

くしろバスが撤退したのも、おもには根室市民の利用が多いからで、観光客や釧路市民の利用はあまりないというのが要因です。

対するJR北海道は、2025年3月15日のダイヤ改正で花咲線の早朝、深夜を含む4本を減便。
とくに根室5:31発、釧路8:05着が廃止となりましたが、JR側は特急「ねむろ号」(根室BT5:35発→釧路駅前8:20着)の利用をと呼びかけており、減便合戦が展開されている様相です。

利用者減少でもなんとか存続! 根室と釧路を結ぶ「特急ねむろ号」
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