知床半島の東側(羅臼町)、海岸沿いに羅臼港から半島先端方向に北海道道87号知床公園羅臼線を走るとルサ川を渡る手前に「世界遺産ルサフィールドハウス」があります。ここから半島先端部は「根室海峡の海域」を含めて世界自然遺産に登録されたエリアです。その海岸部に湧くのが海中温泉「セセキ温泉」。
セセキとは、アイヌ語の温泉!?
ルサ川を渡り、しばらく走ると「瀬石」と書いた表示が。ここが羅臼町瀬石。セセキとは、アイヌ語のセセク(sesek=熱い、熱くなる)に由来する言葉。
つまりは温泉。
江戸時代以降、アイヌ文化に本州の文化が伝わると温泉をアイヌの人もユと表現するようになりますが、このセセキ、それ以前のアイヌ語地名を残す貴重な場所でもあるのです。
そのセセキ温泉、道道脇にかろうじて駐車場は用意されているものの、冬場の荒波に運ばれた石で湯船が埋没。
流氷が去った後、海岸の石を取り除いてようやく「湯船」が出現し、入浴できる状態になるというワイルドこの上ない露天風呂です。
地元の人たちの自主管理により成りたっているというありがたい温泉。
脱衣所、目隠しなども皆無、これぞまさしく海の秘湯といえます。 この露天風呂をいたくお気に入りが温泉ソムリエの板倉あつしさん。
その入浴風景は以下の動画に収録されています。
湯船が利用可能になるのは、例年昆布漁シーズンである7月から9月頃の間だけ。さらに、シーズン中も入浴のタイミングがなかなか難しいからご注意を。
というのは、岩礁から湧き出る温泉が71度と高温で、干潮時には熱すぎて入れません。
逆に満潮時には湯船がすっぽりと海の中に隠れてしまいます。まさに海中温泉!
干満の状況は羅臼に泊まって宿などで確認が必要です。