路面電車とマイクロバスが合体!? 地下鉄試験車「はるにれ」とは!?

第3次試験車「はるにれ」

札幌市が、市内を走る地下鉄(現・札幌市営地下鉄)で前例のないゴムタイヤ式を採用したことで、東区東苗穂7条に線路676mを敷設した札苗試験場(さつなえしけんじょう)を設置。第1次、第2次の試験車両は廃車バスを改造したものでしたが、1965年11月、第3次試験車として登場したのが「はるにれ」です。

ガソリンで動き、ドアもバスと同じで片側のみ

第3次試験車「はるにれ」

札幌市が独自に開発をスタートさせたのがゴムタイヤを用いた案内軌条式鉄道(あんないきじょうしきてつどう)。
路面上の中央または側壁にある案内軌条に案内輪をあてて、ゴムタイヤで走行するもので、法的には鉄道・軌道の一種です。

車体および座席配置がマイクロバス型のガソリンカーで、第4次試験車「すずかけ」が実際の営業車両に近づいたのとは大違いで、川崎車輌で製造された車両は、当時の路面電車をイメージさせる外観です。
両開きの側扉も、バスと同じで片側にしかありません。

直列8気筒のエンジンを2基備え、115馬力。
全長11.0m、車幅2.8m、車高3.41m、車内は1人掛けの固定クロスシートで定員70人(座席定員19人)。
車体の中央部にも車軸を配したゴムタイヤ3軸という特異の外見で、まさに路面電車にも見え、バスのような感じもする車体です。

この「はるにれ」がガソリンカー試験車の最後で、第4次試験車「すずかけ」は電車になっています。
「はるにれ」では、雪の降る冬場の長期運用や高速走行などのデータを集め、ゴムタイヤ式地下鉄実現のめどを付けた車両となっています。

第4次試験車「すずかけ」とともに札幌における交通の歴史を伝えるミュージアム「札幌市交通資料館」に展示されています(「はるにれ」と「すずかけ」の展示場所は離れています)。

第4次試験車「すずかけ」
第4次試験車「すずかけ」
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第3次試験車「はるにれ」

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