【知られざる北海道】vol.14 稚内の「たまらん坂」は、スゴすぎ!

日本最北端の温泉民宿「北乃宿」のすぐ近くには、たまらん坂という不思議な場所があります。稚内市には最北端の宗谷岬と市街に近いノシャップ岬がありますが、このノシャップ岬を日本海側に回り込んだところが温泉民宿「北乃宿」のある富士見地区。海岸近くまで丘陵が迫りますが、その丘陵に登る坂道(徒歩道)が、たまらん坂です。

温泉民宿「北乃宿」のご主人の案内で「たまらん坂」へ!

以前、某旅行雑誌に掲載しようと、稚内市の観光関係者に問い合わせたところ、「ちょっと、勘弁してください」という返答をいただいた曰く付きの場所なのです。
ちなみに国土地理院の地形図にもちゃんと徒歩道の記載があります。

「最大斜度は45度くらい。行政的には危険だからあまり宣伝して欲しくないというのが正直なところなんでしょう」とは、温泉民宿北乃宿のご主人、戸田さんの話。
それでは、と戸田さんの案内で、たまらん坂へ(TOPの画像は案内してくれた戸田さんとたまらん坂)。場所は、稚内市少年自然の家のすぐ裏手。小中学生の研修施設の裏庭という感じの場所に、立派な「たまらん坂」という看板があります。

「少年自然の家に泊まった中学生なんかもチャレンジしていますよ」というたまらん坂だが、目の前にするとかなり手強そう。
なにせ、海岸段丘の断崖にロープがだらり、というのがリアルな表現。
道南の霊場に断崖絶壁を鎖で登る太田神社(せたな町)がありますが、その予行演習にはもってこいといった感じの斜面なのです。

坂下から眺めるとノシャップの高台に直登することがわかります
坂下から眺めるとノシャップの高台に直登することがわかります

登りきったら、稚内公園を目指すのが王道

足場は雨後などさすがに滑って危険なのだろう、ネットで固めてあるので心配はありません。
フィックスされたロープも今のところは丈夫そう。

前半は、少し緩やかですが、登るにつれて斜度は増してゆきます。
登れば利尻富士も眺められると聞いても、「海岸でも見えるしなー」(カメラマン大石さんと、即、意見一致!)。

「コレ、登ったらどうなるんですか?」という問いには、
「登りきったら、稚内公園を目指すのが王道です。でも途中で同じ富士見地区にある龍海寺へと下る分岐もあるので、こちらに戻ることもできます」とのこと。

そうそう、我々、取材班は、(とってつけたような)先を急ぐという理由で、登坂を断念。

ぜひチャレンジしたいという人は、まずは料理自慢でもある温泉民宿北乃宿に泊まり、戸田さんから注意点などをしっかり聞いてからトライすることをおすすめします。

ちなみに、稚内市少年自然の家では「野外活動」のウォークラリーにしっかりと「たまらん坂は斜度45度」という解説が出ています。
さらに坂の下にある看板によれば、坂の名の由来は、
「景色が良く、楽しくてたまらん」
「急な坂でつらくてたまらん」
から付いたのだとか。
どちらかといえば、そりゃ、後者でしょうーが。

 

たまらん坂
名称 たまらん坂/たまらんざか
所在地 北海道稚内市富士見
電車・バスで JR稚内駅から宗谷バス坂の下行きで20分、富士見4丁目稚内温泉下車、すぐ
ドライブで 稚内空港から約27km
駐車場 稚内市総合体育館駐車場(無料)を利用
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

ラジオ・テレビレジャー記者会会員/旅ソムリエ。 旅の手帖編集部を経て、まっぷるマガジン地域版の立ち上げ、編集。昭文社ガイドブックのシリーズ企画立案、編集を行なう。その後、ソフトバンクでウエブと連動の旅行雑誌等を制作、出版。愛知万博公式ガイドブックを制作。以降、旅のウエブ、宿泊サイトにコンテンツ提供、カーナビ、ポータルサイトなどマルチメディアの編集に移行。