北海道ツウも知らない! 北海道のどまんなかにある「知られざる活火山」

広大な北海道のど真ん中、十勝の北部、東大雪山系の一角にそびえる標高1692.2mのピークが丸山。糠平湖の西、12.5kmほどに位置し、北海道新得町、上士幌町の町境にそびています。山頂の北西、1460mの標高点近くには噴気のマークもあり、活火山であることがよくわかります。

平成になるまでは、火山であることさえ忘れられていた!

道東には知床硫黄山、雌阿寒岳、アトサヌプリ(硫黄山)、十勝岳など今も活発な火山活動をみせる活火山がありますが、実は丸山もそのひとつ。
ニペソツ火山群の一峰で、火山自体は直径2.5km、比高600mと小型です。
山頂が溶岩ドームで、その山容から丸山の名が付いています。

山頂から北西方向に小爆裂火口9個と直径130m~300mの爆裂火口3個(第一火口〜第三火口)が連なり、国土地理院の2万5000分の1地形図で噴気マークが付いているのは、この爆裂火口です。

気象庁・火山噴火予知連絡会の活火山の定義は、過去1万年以内に火山活動のある地ということになりますが、明治31年12月2日に中規模な水蒸気噴火があり、第一火口を形成しているので、まさに活火山といえる存在です。

十勝岳噴火直後の平成元年、平成23年の東日本大震災直後には火山性の地震も起きているので、警戒は必要な活火山ということに。

それでも十勝岳の噴火に呼応したかのような平成元年の地震までは、火山学者の間でもほとんどノーマークの活火山だった山で、登山道もないので北海道ツウでもこの丸山を知っている人はほとんどいません。

残雪期に五ノ沢(丸山噴泉塔あたりまでは登山道らしきものもあります)、六ノ沢を詰めれば山頂に立つこともできますが、かなりの熟達者向きで、山頂に立った人の間からは、噴気が上がる山として話題に上ることもあったのです。
郷土史家の調査で『北海道殖民状況報文 十勝国之部』(北海道殖民部刊/明治34年)に明治31年12月2日の噴火が記録されていたので、、火山噴火予知連絡会による現地調査が行なわれ、平成3年2月1日に丸山を活火山と認定されました。

最新の観測は令和6年8月21日に航空機から目視、赤外線映像装置で実施されていますが、第一火口〜第三火口に噴気はありませんでした。

北海道ツウも知らない! 北海道のどまんなかにある「知られざる活火山」
所在地 北海道上川郡新得町屈足・上士幌町幌加
場所 丸山
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