現在、「日本一短い本線」となっているのがJR北海道の留萌本線(るもいほんせん)で、深川駅(深川市)〜石狩沼田駅(雨竜郡沼田町)の5駅、14.4kmです。もともとは深川駅と増毛駅を結んだ全長66.8kmの「本線」らしい線区でしたが、石狩沼田駅〜増毛駅は廃止され、残る区間も令和8年3月に廃止される予定です。
往時は留萌港への石炭、木材輸送などにも活躍

JRの路線の中で、本線と名の付く路線は、100km以上の距離があるのが通常ですが、例外的に部分廃止などで距離が短くなっている線区があります。
その筆頭が留萌本線。
留萌本線は明治43年11月23日、官設鉄道として深川駅〜留萌駅(50.1km)が開業。
その後、大正10年11月15日に留萌駅〜増毛駅(16.7km)が延伸開業し、66.8kmの本線となったのです。
当時の留萌、増毛はニシンの豊漁で沸き返り、活況を呈していました。
留萌港への石炭、木材輸送などにも活躍し、地域発展に大きく貢献したまさに「本線」だったのです。
戦後も小樽駅〜札幌駅〜留萌駅〜羽幌線・築別駅に準急「るもい」(後に急行に格上げ)、札幌駅〜留萌駅〜羽幌線・幌延駅に急行「はぼろ」、札幌駅〜留萌駅〜増毛駅に急行「ましけ」などが運転されていました。
昭和61年11月1日に優等列車が廃止され、普通列車のみに。
JR北海道発足後にワンマン化などで対応しますが、赤字路線として経営を圧迫するため平成30年6月17日、「経営再生の見通し」を発表、全線廃止の方針が発表されたのです。
平成28年12月5日に留萌駅〜増毛駅間が廃止。
令和4年8月30日に沿線自治体2市2町の首長とJR北海道の間で協議が行なわれ、石狩沼田駅〜留萌駅間は令和5年3月末までに廃止、深川駅〜石狩沼田駅間も令和8年3月末までに廃止する、路線廃止から最大18年間は代替輸送への支援を行なうことなどを合意。
石狩沼田駅〜留萌駅間は、予定よりも1日遅れて令和5年4月1日に廃止。
現在、「日本一短い本線」である留萌本線(深川駅〜石狩沼田駅)も令和8年3月には、確実に廃止されることが決まっています。

「日本一短い本線」が、令和8年3月に廃止に! | |
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