羅臼湖へ到達する方法は?

羅臼の宿泊施設でもっともよく耳にする質問は、 「羅臼湖へはどうやって行くのでしょうか?」です。 案外知られていない羅臼湖へのアプローチ方法、ここで詳細に伝授しましょう。

羅臼湖入口に駐車場はない!

まず、羅臼湖へは、知床横断道路の知床峠近くにある羅臼湖入口から羅臼町などが整備した「羅臼湖歩道」を利用します。
その羅臼湖入口ですが、駐車場はなく、停車帯があるのみです。
環境省の羅臼湖ビジターセンターなどでは、「知床峠から歩く」なんてガイダンスも行なわれていますが、山道(知床横断道路=国道344号)とはいえ、かなりのスピードを出して車が走っているので、現実的ではありません(実際に歩くと歩道もないので冷や汗をかきます)。

路線バスを上手に活用しよう

一般的には、羅臼町内の宿に泊まって、タクシーまたは路線バスを利用するのがおすすめです。
注意したいのはタクシー。羅臼ハイヤー(TEL090-6693-3075/8:00~0:00)の1社ですが、それも日曜、年末年始休。
利用する場合には前日までに必ず予約が必要でしょう。
 
路線バスは、羅臼~知床峠~ウトロを結ぶ阿寒バス 羅臼ウトロ線(斜里バスとの共同運行)。
例年6月中旬~10月中旬の運行で、羅臼バスターミナル9:00発、羅臼湖入口920着(運賃670円/平成27年のダイヤ)。
最終便は羅臼湖入口15:03発の羅臼行きとなります(平成27年のダイヤ)。
このバスを利用すれば、羅臼湖歩道の滞在時間が5時間40分なので、1日たっぷりと世界遺産の核心部(コアゾーン)で過ごすことができるのです。
 
羅臼湖入口バス停羅臼湖入口のバス停(ウトロ方面行き)。奥の方、右手に羅臼方面行きのバス停がある。車道にはバス停以外歩道が確保されていないため、ビジターセンターが宣伝するように国道の脇を知床峠から歩くのは至難の業
 

入山にあたっての注意点は

・羅臼湖に向かうルートは一般の遊歩道とは異なり登山同様の装備と経験が必要です。とくに残雪期にはガイドが同伴でないと入山は無理です。
・羅臼湖歩道周辺は、世界自然遺産の核心部分(コアゾーン)、国指定の鳥獣保護区の特別保護地区、国立公園の特別保護地域に指定されています。「一木一石たりとて動かさない」くらいの心構えで入山してください。
・ヒグマの生息地帯です。単独での行動は避けましょう。また、朝夕はヒグマの活動時間帯です。避けることが賢明です。
・ヒグマの誘因に繋がりますので、羅臼湖歩道での食事はご遠慮ください。飲料も匂いのあるものは避け、ヒグマの生息する自然環境に配慮した行動をお願いします。
・ゴミはすべて持ち帰ってください。小さなものでも氷河時代の残存種がようやく生育する厳しい環境です。いかなるゴミも持ち帰るように心して入山してください。
・雨上がりにはブヨが多い場合があります。虫よけスプレーなどをご持参ください。
・残雪期を除き水場はありません。水筒をご用意ください。
・知床ガイド協会羅臼支部が用意する詳細な地図があります。折りたたみ可能な「ミウラ折り」の優れものですので、羅臼の宿まるみ(ご主人が知床ガイド協会羅臼支部長)など宿泊先の宿にお問い合わせください。サンプルが下にリンクしてあります。
・ガイドの手配が必要な場合は、宿泊先の宿にお問い合わせください。
・植生保護のため、ぬかるみや残雪を避けずに歩いて下さい。ぬかるみを避け植生の上を歩くとそこが裸地化してさらにぬかるみが拡がってしまいます。羅臼の宿まるみでは滞在者に長靴の貸し出しを行なっています。
・知床横断道路一帯は携帯電話が通じにくいので、バス停でタクシーを呼ぶことは困難と考えてください。
 
羅臼湖歩道羅臼湖歩道(四の沼近く/先頭を歩くのがガイドの湊謙一さん=羅臼の宿まるみ主人)
 
羅臼湖トレッキングMAP(詳細版)はこちら
 

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!