オンネトーの南岸から阿寒富士山麓の森の中を緩やかに登ると標高650mほどの場所に落ちるのがオンネトー湯の滝。雌阿寒岳火山の安山岩溶岩流の末端に懸かっています。以前は、露天風呂感覚で入浴する人もいましたが、微生物によって酸化マンガンを生成する現象が発見され保護のため入浴禁止になっています。
オンネトー湯の滝への散策はヒグマに注意
落差20数メートルの2条の滝からなるオンネトー湯の滝。
阿寒富士に降った雨や雪が地下に浸透し、十数年かけて溶岩流の末端から湧出したもの。
滝上流の泉源では温度43度ほどの温泉が湧き出し、かつては天然の湯滝として利用されていました。
オンネトー湯の滝でマンガン鉱物が形成されていることは古くから知られており、昭和20年代には3500トンが採掘されています。
駐車場から原始林の中を30分ほど歩けばオンネトー湯の滝。
周辺はヒグマの生息地なので、音を出す、飲食しないなどヒグマ対策に留意を。
とくに朝夕の活動時間帯には細心の注意が必要。
オンネトー湯の滝は、地上で観察できる世界最大のマンガン鉱物生成場所として世界的にも注目されているのです。
オンネトー湯の滝の泉源と滝の斜面に、光合成によって酸素を放出するシアノバクテリア(藍藻類)、そして酸素と温泉水に含まれるマンガンイオン(Mn2+/1トンの水に3g含有)を結合させるマンガン酸化細菌などの微生物が生息。
こうした微生物の複合作用で、オンネトー湯の滝の斜面で二酸化マンガンが形成。
年間1トン以上の沈殿物(黒色のマンガン泥)が生成するのです。
つまり、オンネトー湯の滝は、自然界でマンガン鉱物を生成する「実験室」、世界唯一の「生きているマンガン鉱床」というわけなのです。
しかも、オンネトー湯の滝の現象を解析することは、原始の地球を解き明かすことにもなるので(オンネトー湯の滝は、原始の地球を再現)、「日本の地質百選」さらには「オンネトー湯の滝マンガン酸化物生成地」として国の天然記念物に指定されています。
オンネトー湯の滝 | |
名称 | オンネトー湯の滝/おんねとーゆのたき |
所在地 | 北海道足寄郡足寄町茂足寄原野国有林 |
関連HP | あしょろ観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR釧路駅から阿寒バス阿寒湖畔行きで2時間、終点でオンネトー行きに乗り換え35分、終点下車、徒歩30分 |
ドライブで | 釧路空港から約80km ※オンネトーから、螺湾川沿いに走る道道664号(モアショロ原野螺湾足寄停車場線)は、悪路で脱輪する車が続出しています。 レンタカーなどで安易に通行しないようご注意ください。 |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | あしょろ観光協会 TEL:0156-25-6131/FAX:0156-25-6132 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |