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冬の知床ねむろの魅力/(9)旅の終わりに、熊の湯露天風呂に入浴!

熊の湯露天風呂

「日本中の温泉の中でもこれだけ熱い湯は、数少ないですが、これだけ爽快でいい湯もめったにありません」とは、温泉達人・板倉あつしさんの熊の湯露天風呂絶賛の言葉。板倉さん個人的には全国ベスト10入りのお気に入り温泉で、「知床、根室を旅するのなら、ぜひ入浴してもらいたい温泉」とのことです。

アッチッチの温泉には、ちゃんとした熱い理由がある!

ウトロ(斜里町)と羅臼市街(羅臼町)を結び、知床連山の最高峰、羅臼岳の肩を乗り越す知床横断道路(国道334号)。
実は、全国数ある国道のうち、冬季閉鎖期間が最も長い(例年開通するのはゴールデンウィーク頃〜10月中旬頃)国道です。
その羅臼側のゲートから羅臼川を渡ったところにあるのが熊の湯露天風呂。
男女別に露天風呂(湯船)と簡素な脱衣場が用意されただけの素朴な共同湯です。

地元の人の共同管理で、毎朝、お湯を抜き、清潔さを維持管理しているのです。
利用するのは、漁師など地元の人がメイン。
夏場は観光客が加わりますが、湯温は45度くらいはあろうかと思われるほどのアチチです。

なぜアチチなのかといえば、根室海峡の海水温が冷たいから。
そんな海を仕事の場とする羅臼の漁師は(昆布漁、ウニ漁、定置網などさまざまな漁がありますが)、夏でも体が冷えるので、温まるための熊の湯というわけなのです。
なので、不届きな旅行者がホースで沢の水を湯船に入れようものなら、「こらーっ!」と怒鳴られることに。

それでも以前よりは湯温はかなり低めになりましたが(以前は熱すぎて旅行者が湯に浸かれないくらいでした)、「最近の若い漁師は、熱い湯に入れないから、だらしない」と漁師OBは嘆くのです。
今では、そんな羅臼らしい洗礼も、「熱いんならホースのところに入れー」などと、優しい言葉も増えたような気がします。

実は、命をかけて冷たいオホーツクで仕事をする羅臼の漁師たちは、湯温以上に熱いハートの持ち主。
ぜひ、熊の湯露天風呂で、そんな海の男達とスキンシップを。
「魚の城下町」を自負する羅臼ならではの思い出となるでしょう。

マナーを守って入浴を。
脱衣場にカンパの箱があるので、かならず志を入れて、入浴を。

注/画像は入浴者の許可を得て撮影しています

雪の覆われた厳冬期の熊の湯
知床横断道の閉鎖されたゲート

 

熊の湯露天風呂
名称 熊の湯露天風呂/くまのゆろてんぶろ
所在地 北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町
関連HP 羅臼町公式ホームページ
電車・バスで 中標津バスターミナルから阿寒バス羅臼行きで1時間30分、終点下車、タクシーで10分
ドライブで 根室中標津空港から約65km
駐車場 10台/無料
問い合わせ 羅臼町産業創生課 TEL:0153-87-2126
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

取材協力/根室振興局、羅臼の宿まるみ

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