北海道Style

美唄鉄道・4110形式蒸気機関車2号

美唄鉄道・4110形式蒸気機関車2号

北海道美唄市、美唄鉄道の東明駅(とうめいえき)跡に静態保存されているのが、石炭輸送や炭住に住む人々の旅客輸送に活躍した4110形式蒸気機関車2号。国鉄4110形蒸気機関車の同形機である2号機関車で、大正8年の製造。美唄鉄道が三菱造船神戸造船所に発注したものです。

国内に現存する唯一のE型蒸気機関車

現役時代の石炭を運ぶ4110形式蒸気機関車2号

三菱造船で製造された蒸気機関車第1号で、昭和47年の美唄鉄道廃止まで活躍していました。
東明駅舎と鉄道関係資料が三菱鉱業から寄贈され、静態保存されています。

4110形は、国鉄(日本国有鉄道)の前身となる鉄道院が製造した急勾配路線用(25‰までの急勾配に対応)のタンク式蒸気機関車(E型蒸気機関車)。
蒸気機関車のC、D、Eは動輪の数を表し、4110形はE型なので動輪5×2というパワフルな仕様。
タンク式というのは、本体に水タンクを有するスタイルです。

4110形式蒸気機関車2号は、鉄道院の4110形とほぼ同仕様ですが、三菱造船神戸造船所に自社発注した機関車です。

空知の炭鉱エリアには路線の勾配が急という場所もあり、4110形を採用。
第一次大戦後の造船不況だった三菱造船神戸造船所が蒸気機関車製造に乗り出した第1号機にもなっています(大井川鉄道が動態保存する国鉄C56形蒸気機関車44号機は昭和11年、三菱造船神戸造船所製造です)。

駅舎と蒸気機関車2号は、日本遺産「本邦国策を北海道に観よ!~北の産業革命『炭鉄港』~」の構成資産になっています。
空知の石炭を基軸に、室蘭の鉄鋼、小樽の港湾、これらを繫ぐ炭鉱鉄道によって繰り広げられた近代化の物語「炭鉄港」です。
空知の炭鉱開発は、明治以降、国策として進められましたが、戦後、エネルギーの転換よって、5万人の労働者が空知を去っています。

ちなみにこの車両、国内に現存する唯一のE型蒸気機関車ともなっています。

美唄鉄道・4110形式蒸気機関車2号
名称 美唄鉄道・4110形式蒸気機関車2号/びばいてつどう・4110けいしきじょうききかんしゃ2ごう
所在地 北海道美唄市東明5条2-3-9
ドライブで 道央自動車道美唄ICから約1km
駐車場 あり/無料
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

美唄鉄道・東明駅跡

北海道美唄市にあるた三菱鉱業美唄鉄道線(美唄鉄道)の駅跡が、美唄鉄道・東明駅跡(びばいてつどう・とうめいえきあと)。炭鉱全盛時代の昭和23年1月10日に新駅として開業、三井新美唄炭砿(旧・徳田鉱山)の炭鉱住宅の住民の足などとして活躍、昭和4

モバイルバージョンを終了