9割以上が自然林という支笏湖周辺の森のなかでも、もっとも原始的な環境を残しているのが支笏湖の西岸、美笛にある巨木の森。美笛とは、アイヌ語のピピオイ(pipi-o-i=小石原に・ある・川、あるいは石のころがっている岬の意)に由来する地名で、清冽な美笛川が支笏湖へと注ぎ込んでいます。
美笛の支笏湖岸に残るカツラ、ミズナラの巨木群
美笛川周辺では金山が発見され、千歳鉱山(詳しくは美笛の滝参照)時代には5000人が居住したといいますが、河口部の巨木の森一帯には原生林が手つかずの状態で残されています。
道道78号から分かれ美笛キャンプ場へと続く林道には、樹齢300年以上のカツラ、ミズナラ、シナノキ、ハルニレの大木がそびえ立ち、千歳観光連盟の積極的なPRもあって「巨木の森」の名前が定着しました。
湖に注ぎだす美笛川の河口の中州には、湖水の影響で立ち枯れた巨木の根株も点在しています。
美笛川を美笛橋までまたいだ先で、湖東岸を北上する道道78号支笏湖線は通行止めとななっています(美笛~奥潭間通行止め/目下、再開通の予定なし)、その手前で右に美笛キャンプ場へのダートの道を分けています。
このダート道の沿線に広がっているのが巨木の森。
森の中への立入は、環境保護のため禁止されているので車窓や林道からの見学を。
原始的な環境が残される美笛川周辺だが、実は昭和10年に河口(川口事務所=河口の南側)から上流の本山駅まで千歳鉱山軌道が敷設され、金鉱石を採石。
千歳鉱山軌道〜支笏湖湖上輸送〜王子軽便鉄道〜国鉄室蘭本線〜国鉄函館本線経由で石北本線天幕駅近くの天竜鉱山付属精錬所まで金鉱石を運んでいました。
良質な金を採掘した千歳鉱山は昭和61年に閉山となっています。
巨木の森 | |
名称 | 巨木の森/きょぼくのもり |
所在地 | 北海道千歳市美笛 |
ドライブで | 道央自動車道千歳ICから約44km |
駐車場 | 路肩または美笛キャンプ場入口の駐車場を利用 |
問い合わせ | 千歳観光連盟観光事業部 TEL:0123-24-8818 |
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