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ヲンネモトチャシ跡(根室半島チャシ跡群)

根室半島には16世紀~18世紀にアイヌが構築した32ヶ所のチャシが残されています。そのうち24ヶ所が国指定史跡となり根室半島チャシ群として「日本100名城」に選定。つまりは日本最北で最東端の100名城というわけです。チャシは戦闘時の砦(とりで)のほか、周辺の部族との談判や祭祀を行なう場にもなっていました。

日本100名城の1番に登録は根室半島のチャシ跡群

ヲンネモトチャシ跡は、根室半島北側、オホーツク海沿いの見通しのいい場所に築かれ、「コ」の字形や半円形の壕を巡らせていることから実戦的な要素も強かったと推測できるチャシです。

1789(寛政元)年に起きたアイヌと和人の戦いである「クナシリ・メナシの戦い」の戦場、処刑場にもなっているので学術的にも貴重な存在となっています。

「根室半島チャシ跡群」のなかでも多くのチャシは原野のなかにあり、ヒグマも出没する場所もあるので見学に向いているのはごく一部に限られています。

温根元湾の西岸に突出した岬の高台に位置するヲンネモトチャシ跡は階段や歩道が整備され、見学にも最適。

温根元漁港を目ざせばすぐに場所はわかるでしょう。

一見するとただの草原のように見えますが、台地の上に人工的に盛土をして、周囲に壕を巡らせているのが歴然。
土塁と空濠で、本州でいう中世の城跡のような構造になっています。

近くには、約1500年前のオホーツク文化期の竪穴住居も発見されているので、古くから定住した場所だということがわかっています。

このほか見学可能なチャシは、北方原生花園近くのノツカマフ1号・2号チャシ跡(根室市牧の内130/道道35号根室半島線沿いチャシ跡入口の看板から徒歩8分)。

出土した資料やチャシの詳細は花咲岬入口に建つ「根室市歴史と自然の資料館」で解説されているので寄り道を。
ちなみにチャシは、アイヌ語でで「柵囲い」を意味する言葉。

「100名城スタンプ」は観光インフォメーションセンターに

根室駅横にある根室市観光インフォメーションセンターに「100名城スタンプ」が設置されています。
根室駅前のみやげ屋「光風」では、「日本100名城 根室半島チャシ跡群」グッズを販売。
さらに地元タクシー(中央ハイヤー、根室ハイヤー、ホクトタクシー)でもチャシ跡見学を含めた根室半島周遊2時間コースを用意しています。

ヲンネモトチャシ跡(根室半島チャシ跡群)
名称 ヲンネモトチャシ跡(根室半島チャシ跡群)/おんねもとちゃしあと(ねむろはんとうちゃしぐん)
所在地 北海道根室市温根元55-1
関連HP 根室観光協会公式ホームページ
ドライブで 根室中標津空港から102km
駐車場 5台/無料
問い合わせ 根室市観光インフォメーションセンター TEL:0153-24-3104
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

北海道五大名城とは!?

北海道で日本100名城に選定されるのは、アイヌのチャシ(砦)群の根室半島チャシ跡群、幕末の西洋城郭の五稜郭、北海道で唯一の和式城郭の松前城の3城。これに中世の倭人が築いた城館の志苔館(しのりたて/函館市)、勝山館(かつやまだて/上ノ国町)を

ノツカマフ1・2号チャシ跡(根室半島チャシ跡群)

根室半島の根室海峡側、ノッカマップ岬の東端には根室半島チャシ跡群のひとつ、ノッカマフチャシ跡(ノッカマフ1号・2号チャシ跡)があります。根室半島の海沿いには16世紀〜18世紀にアイヌ民族が構築した32ヶ所のチャシが現存。そのうち24ヶ所が国

根室市歴史と自然の資料館

昭和17年築のレンガ造りの建物は戦前は大湊海軍通信隊根室分遣所だったもの。第二次世界大戦後は花咲港小学校として利用されてきましたが小学校の新築に伴って平成2年に根室市郷土資料保存センター、平成16年に根室市歴史と自然の資料館となっています。

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