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幸福駅

昭和62年に廃線となった、旧国鉄広尾線の駅舎跡。この旧広尾線には、愛国駅も隣接しており、「愛の国から幸福へ」ということで、昭和50年代には愛国〜幸福間の乗車券を求める観光客や鉄道ファンが殺到した駅です。駅舎には、使い終わった定期券や名刺がびっしりと貼られています。

NHK『新日本紀行』で一躍有名に

幸福駅周辺は、明治30年に福井県大野から集団入植した人の開拓地で、アイヌ語のサツ・ナイ(sat-nay=乾いた・川)に由来する幸震(さちない=後に「こうしん」に)でした。
その後、福井から入植した人が多かったことから幸震の幸と、福井の福を合体させて幸福という地名が生まれたのです。

昭和7年の広尾線全通時には幸福駅はなく、昭和31年に幸福仮乗降場として新設されたのが始まりです。

乗降客の少ない駅でしたが、昭和48年3月にNHK『新日本紀行』で、「幸福への旅~北海道帯広~」として紹介。
農地開拓に打ち込む農家の姿や、ささやかな幸せを願う家族の絆を描くドキュメンタリーで、幸福駅の大ブームのきっかけに。

さらに「愛国から幸福ゆき」きっぷが人気を呼び、昭和49年には芹洋子歌う『愛の国から幸福へ』(作詞:岡田冨美子・作曲:高橋五郎)でブームはさらに広がります。

前年わずか7枚しか売れなかった愛国駅〜幸福駅のきっぷが、ブームとなった昭和49年にはなんと300万枚も売れたのです。

駅舎前やホームで記念撮影を!

22形(キハ22 221、キハ22 238)の2両の気動車が静態保存されています。
キハ22 221はホームに停車した状態での静態保存なので、実際に内部を見学することができ、床が木だったことなどを確認できます。
駅舎は老朽化のため平成25年に取り壊され、旧駅舎外壁の半分を使用した新駅舎が建てられています。

現在でも観光客が訪れ、駅舎前やホームで記念撮影を行なっています。
駅舎前にある売店では、幸福行きの切符も販売。

幸福駅は愛国駅同様に「恋人の聖地」に認定されています。

4月29日〜11月3日の間、ウェディング体験のイベント『幸福駅ハッピーセレモニー』も行なわれています。
駅近くには幸福神社もあってパワースポットとして注目されています。

国鉄広尾線「愛の国から幸福へ」

帯広駅〜広尾駅を結ぶ84.0kmの線。単線、非電化のローカル線でしたが、NHK『新日本紀行』の放送、さらには国鉄の『ディスカバー・ジャパン』によるカニ族の到来で、一大ブームを呼び起こしました。

当時の北海道一周旅行のスタイルは、国鉄の「北海道ワイド周遊券」を利用。
広尾線の広尾駅から襟裳岬を経由して様似駅までは国鉄バスを使ったのです。
つまり、幸福駅も、愛国駅もその黄金ルートの途中にあったのです。



 
幸福駅
名称 幸福駅/こうふくえき
所在地 北海道帯広市幸福町東1線
関連HP 帯広市公式ホームページ
電車・バスで JR帯広駅前のバスターミナルから十勝バス広尾行きで幸福下車、徒歩5分
ドライブで 帯広広尾自動車道幸福ICから約1km
駐車場 36台/無料
問い合わせ とかち観光情報センター TEL:0155-23-6403
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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