大正3年から、小樽の沖合を埋立ておよそ9年の歳月をかけて造られた全長1314m、幅40mの運河。港外に停泊した大型船から艀(はしけ)で貨物を輸送するシステムで、そのために運河沿いには石造倉庫が並んでいます。港の埠頭(ふとう)岸壁の整備で本来の役割を終えていますが、小樽の観光スポットに生まれ変わっています。
小樽の栄華を支えた運河は小樽の名所に
運河沿いで目をひく大家倉庫は明治24年築、小樽市総合博物館・運河館は明治26年築の旧小樽倉庫で北海道最古の営業倉庫。
ともに北前船の船主でもあった加賀商人が建てたもの。
大正末期から昭和にかけて小樽がもっとも華やかだった時代には、この運河が沖に停泊する本船と往復する艀で埋まったのだとか。
かつては北海道開拓の玄関口で、多くの物資が集散した場所でした。
高度経済成長期には、埋め立て論争も起こりましたが、結果として道道17号小樽港線(臨港線)沿いの南半分は運河の半分が道路となり、散策路や街園が整備され、北部(通称:北運河)は当初のまま40mの幅が残されています。
運河南側の650mには御影石が敷き詰められ(サイコロ状の御影石がイチョウ模様に埋め込まれています)、63基のガス灯が灯る散策路になっています。
運河沿いの石造倉庫群は当時の姿のまま残されていて、レストランなどに再生されています。
写真撮影スポットとして人気なのは、浅草橋街園(小樽市港町5)で、小樽市の「浅草橋観光案内所」(9:00〜18:00/1月1日休)も設置されています。
夜のライトアップ、冬のイベントにも注目
街道にガス灯が灯る夕暮れどきはムード満点(運河散策路ガス灯の点灯は午前0:00まで)。
運河沿いの倉庫群も倉庫群の日没〜22:30の間にライトアップが実施されています。
旧日本郵船(株)小樽支店など主要な建物のライトアップも22:30までなので、夜の小樽散策は22:30までがおすすめタイム。
冬季は、11月中旬〜1月のロングランイベント『小樽ゆき物語』が実施され、幻想的な青のイルミネーション(点灯は日没~22:30)で、小樽運河(浅草橋~中央橋)を彩る「青の運河」が行なわれます。
また2月の上旬には、運河の水面に200個の浮き玉キャンドルを浮かべ、運河沿いの道にキャンドルの灯火が煌めく『小樽雪あかりの路』も行なわれています。
『さっぽろ雪まつり』に続く、北海道の冬の風物詩として今や、世界的にも有名に。
札幌を基地に小樽散策をプランニングする人も多いのですが、観光客(おもに外国人ツアー客)が少ない夜の時間帯などを狙うなら、ぜひ小樽市街に宿をとることをおすすめします。
小樽運河 | |
名称 | 小樽運河/おたるうんが |
所在地 | 北海道小樽市色内 |
関連HP | 小樽市公式ホームページ |
電車・バスで | JR小樽駅から徒歩10分 |
ドライブで | 札樽自動車道小樽ICから約2.7km |
駐車場 | 港湾部前観光駐車場(88台/有料) |
問い合わせ | 小樽観光協会 TEL:0134-33-2510 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |