網走市街の北に広がる能取湖(のとろこ)は、オホーツク海と通じる海水湖。能取湖の南畔、卯原内(うばらない)あたり一帯には、8月下旬〜9月中旬頃、サンゴ草が美しく色づきます(能取湖卯原内サンゴ草群落)。サンゴ草は、アッケシソウという高さ15cm〜30cmの一年草。本物のサンゴに似ていることから、サンゴ草と呼ばれています。
夏の終わりにはサンゴ草が真紅に色づく
能取湖の湖畔が、一面真紅のじゅうたんと化す景観は網走に秋の訪れを告げる風物詩に。
ただし湖岸は湿地帯なので、足元には注意を。
卯原内(うばらない)地区には木道が整備され、足を汚さずに観賞できます。
近年サンゴ草の群生が衰退傾向にあったので、卯原内観光協会は保護育成事業を実施。
能取湖周辺では、能取地区群生地、美岬(みさき)地区群生地、平和地区群生地がありますが、トイレや木道が整備されているのは卯原内地区だけとなっています。
アッケシソウ(サンゴ草)
ヨーロッパ、アジア、北アメリカなどの寒帯地域に広範囲に分布するアカザ科に属する一年性草本。
塩分を含んだ汽水湖の海岸に茂る塩生植物で、日本では明治24年に厚岸湖(あっけしこ=厚岸町)のカキ島で北海道大学の宮部金吾が発見し、アッケシソウと命名しました。
野付半島、温根沼、風蓮湖、濤沸湖、能取湖、サロマ湖、コムケ湖などでも生育しています。
塩分を含んだ汽水湖の海岸に茂る塩生植物で、日本では明治24年に厚岸湖(あっけしこ=厚岸町)のカキ島で北海道大学の宮部金吾が発見し、アッケシソウと命名しました。
野付半島、温根沼、風蓮湖、濤沸湖、能取湖、サロマ湖、コムケ湖などでも生育しています。
韓国のアッケシソウと瀬戸内海沿岸のアッケシソウのDNAは同じですが、北海道のアッケシソウはそれとは異なる種であることが判明しています。
アッケシソウは葉と茎が食用となり、イギリスなどではグリーンシーズンに野菜として利用されています。