富士山を思わせる稜線が美しく、「蝦夷富士」と称される羊蹄山(ようていざん)。標高1898mの成層火山で、あまり知られていませんが倶知安(くっちゃん)道有林管理センターの管理下にあり、一般の人が立ち入ることができるのは登山道のみ。それゆえに原始性が保たれています。
もっともポピュラーな真狩コースで、登頂には所要4時間40分
羊蹄山の山頂へは真狩(まっかり)、喜茂別(きもべつ)、京極、倶知安からそれぞれ登山道が設けられていますが、もっともポピュラーなのが羊蹄自然公園側から登る真狩コースで、所要4時間40分ほど。
後方羊蹄山(しりべしやま)として、深田久弥の『日本百名山』にも選定されています。
後方羊蹄山の名は『日本書紀』の659(斉明天皇6)年に阿倍比羅夫が郡領を置いたとする後方羊蹄(しりべし)に由来します。
『日本書紀』の記述ゆえに、その信憑性、はたまた史実だとしてもその場所が実際、どこなのかは定かでありません。
アイヌの人々はマッカリペッ(mak-kari-pet=後ろで回る川/川尻で回る川)の上流なのでマッカリヌプリとか、尻別岳をピンネ・シリ(pinne-sir=男・山)と呼んだのに対し、マッネ・シリ(matne-sir=女・山)とも呼んでいます。
尻別川(shiri-pet=至高の・川)のシリペツがシリベツになり、後方羊蹄となったと類推することもできます。
後方羊蹄から読みやすい国名「後志」(しりべし)を命名した松浦武四郎は、1858(安政5)年2月4日(新暦3月18日)に羊蹄山に登頂しています(『東西蝦夷山川地理取調紀行』)。
ただし、記述の内容から、アイヌから聞いた内容を創作したと推測されています。
ユニークなところでは、日本にスキーを伝えたオーストリア=ハンガリー帝国の軍人・レルヒ少佐が、明治45年4月15日、羊蹄山に登り、スキーで滑降しています。
有珠山=1822(安政5)年2月1日
羊蹄山=1858(安政5)年2月4日=内容からして創作と推測できます
雌阿寒岳=1858(安政5)年3月27日
羊蹄山 | |
名称 | 羊蹄山/ようていざん |
所在地 | 北海道虻田郡真狩村 |
関連HP | 真狩村公式ホームページ |
電車・バスで | JR倶知安駅から道南バス真狩方面行きで25分、羊蹄自然公園下車 |
ドライブで | 千歳空港から約100kmで羊蹄自然公園 |
駐車場 | 羊蹄山自然公園駐車場(135台/無料) |
問い合わせ | 真狩村総務企画課商工観光係 TEL:0136-45-2121/FAX:0136-45-3162 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |