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日本最後の桜の花見は7月20日、知床羅臼で!

正月を過ぎると沖縄で開花が始まる日本列島の桜。
「桜前線北上中」なんて言葉がありますが、その北上した桜前線の「最後の最後」が世界遺産に登録される知床羅臼の山中です。

桜はヒマラヤが原産

場所を紹介する前に、桜の予備知識を。
桜の原種(原産地)はヒマラヤと推測されています。ネパールに咲くヒマラヤザクラ(Wild Himalayan Cherry)は、10月の秋に花を咲かせます(ネパールのビレンドラ前国王が熱海市に贈ったというネパール産ヒマラヤザクラは熱海で11月に咲きます)。
秋に桜が咲くのは遺伝学でいう「先祖返り(atavism)」だそうで、もともとは日本にあった桜も秋に咲いていた可能性があるのだとか。
日本に生育する桜(野生種)でこのヒマラヤザクラを直接の先祖とする桜が2月頃の旧正月に咲くヒカンザクラ(緋寒桜)です。中国南部から台湾にかけて分布する桜でもあります。韓国と日本列島にはヤマザクラやエドヒガンザクラが主体となり、東北・北海道にはオオヤマザクラ、そして北海道の道東や北方領土ではチシマザクラが中心となります。

桜の進化の旅は知床まで到達!

実は桜はヒマラヤをルーツに、日本列島が大陸と地続きだった時代に、北へ東へと向かう壮大な旅に出たのです。ヒマラヤで秋に咲く桜は、沖縄で冬に、そして日本列島では春に咲くように進化したのです。ヒマラヤザクラを直接の先祖に持つヒカンザクラのみ、冬の厳しい寒さに負けないで咲くのです。
そんな桜の進化の過程も、チシマザクラ、エゾヤマザクラで目下のゴールとなっています。
そのゴールが、日本では知床・羅臼の山中というワケなのです。


写真はTOPの桜の画像を撮影した周辺の状況(撮影日は7月10日)。ようやく1本だけ開花を見つけました。

根釧東部森林管理署の話では
「平成24年には羅臼湖歩道で7月19日にようやく桜の開花を確認しました。例年、7月中旬頃にならないと花が咲きません」とのこと。
北海道に精通した故・奥山明成カメラマンは、「僕が知る限り、北海道で最後に桜は羅臼湖歩道です。だからラジオ番組なんかに『まだ花見ができるよー』って連絡したこともあるくらい」と話していました。

ヒマラヤから気が遠くなるくらいの歳月をかけて知床に到達した「桜一族」。ヒマラヤで秋に咲き、沖縄で冬に、本州で春にと順応しながら着実に東進を行ない、根室や羅臼の平野部で初夏の6月に、そして垂直分布を克服しながら知床の山上に登って夏に咲く。ヒマラヤを起点とするドラマチックな桜の旅を、世界遺産知床でぜひ体感してみましょう!

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