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湛水面積日本一の大貯水池は、「日本最寒の地」に

ダム湖や農業用の貯水池などで、貯水池の最高水位における水面の面積が湛水面積(たんすいめんせき)。日本最大の広さ(湛水面積)を有する人造湖は、北海道雨竜郡幌加内町にあるダム湖の朱鞠内湖(しゅまりないこ)です。湖畔には「日本最寒の地碑」も立っていますが、昭和53年2月17日にマイナス41.2度を記録しています。

雨竜第一ダムと、雨竜土堰堤完成で朱鞠内湖が誕生

湖畔に立ってもあまりに広大なため、自然湖のような雰囲気で、実際に、北海道民でさえ、ダム湖と知らない人が多いのだとか。
戦時下の昭和18年に完成した雨竜第一ダムと、雨竜土堰堤により、周囲の原生林が水没し、湛水面積2373haという巨大なダム湖、朱鞠内湖が誕生。

面積は広大でも、浅い場所が多いため総貯水量は、その後完成した佐久間ダム(静岡県・愛知県、昭和31年完成)などに抜かれ、戦後の巨大ダム建設で現在では10位以下となっています。

かつては湖畔に深川駅と名寄駅を結ぶ深名線(しんめいせん/昭和7年10月25日に朱鞠内まで開通、当時の名称は幌加内線)が走り、ダム建設の物資輸送にも使われましたが、平成7年9月4日に廃止されています。
広大な朱鞠内湖の湖畔にも、湖畔駅、宇津内仮乗降場、蕗ノ台駅(臨時駅)、白樺駅(臨時駅)などがあり、日本最寒のマイナス41.2度を記録したのは湖畔の母子里地区です。

最寒記録ですが、実は北海道大学付属演習林近隣の気象観測施設で観測、この施設が気象庁の観測対象から外れているため、気象庁の認定はなく、非公式の記録ということに。
気象庁の公認記録では旭川のマイナス41.0(明治35年1月25日)です。

朱鞠内湖は、標高も高く(湖面標高282m)、四方が山に囲まれた盆地(気温差が激しい)。
湖畔に美しい白樺林が広がり、森に囲まれて気温の下がりやすい地形です。

入り組んだ湖面、緑生い茂る湖畔は、どことなく北欧の湖のよう。
しかも「幻の魚」と称される巨大なイトウも生息、フィッシングポイントが無数に存在しアングラーの聖地となっています(ただし、周囲の森はヒグマにとっても別天地)。
湖畔の「日本最寒の地碑」近くには「レークハウスしゅまりない」やキャンプ場があり、探勝の基地となっています(宿泊料金も手頃で、穴場の避暑地でもあります)。

湛水面積日本一の大貯水池は、「日本最寒の地」に
名称 朱鞠内湖/しゅまりないこ
所在地 北海道雨竜郡幌加内町朱鞠内
電車・バスで JR名寄駅前からJRバス幌加内行きで58分、朱鞠内湖畔下車
ドライブで 道央自動車道和寒ICから約55km
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

朱鞠内湖

ブトカマベツ、ウツナイ、シュマリナイの3つの川をせき止め、昭和18年に完成した周囲97kmの人造湖が朱鞠内湖(しゅまりないこ)。広さ2373haという湛水面積は日本一。つまりは日本一の人造湖というわけです。しかも湖北東の母子里(もしり)は、

雨竜第一ダム

北海道雨竜郡幌加内町(ほろかないちょう)を流れる雨竜川上流部に築かれた堤高45.5mの重力式コンクリートダムが雨竜第一ダム。ダムは無名の存在ですが、ダム湖の朱鞠内湖(しゅまりないこ)は、湛水面積2373.0haで日本一広大な人造湖、そして原

日本最寒の地碑

朱鞠内湖(しゅまりないこ)北東の母子里地区では、昭和53年2月17日に記録したマイナス41.2度を記録。これが日本国内における最寒温度の記録。国道275号沿いには、この最低記録を記念して造られた寒さをテーマにした公園「母子里クリスタルパーク

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