北海道大学植物園

クラーク博士の提唱で、明治19年、豊平川扇状地の地形をそのまま活かして造られた、広さ13haの植物園。開拓時代そのままの美しい自然林は、今やビル街になってしまった札幌の100年以上前にタイムスリップできます。園内では北海道に自生するおよそ4000種の植物を育成しています。

自然林へと足を伸ばす「外回りルート」でぜひ探勝を!

北海道大学に附属する研究施設にもなっています

開拓時代の森に迷い込むことができます

植物園のある場所は、かつてハルニレ、イタヤカエデ、ミズナラ、 ヤチダモ、ハンノキ、オニグルミなどの茂る森だったといいますが、「バチェラー記念館」(明治31年築・国の登録有形文化財)の西に広がる「自然林」のエリアでは、札幌が開拓される前の原始の姿が残されています。

北海道の大雪山やアポイ岳に生育するものを中心に、日本の高山植物約600種が、トムラウシ山の8合目辺りを模して作られた岩組みに植えられた「高山植物園」、北アメリカ産の高山植物約150種を植栽展示する「カナディアン・ロックガーデン」、アイヌ(カラフト、千島、北海道各地の部族)、ニブフ、ウィルタが生活に利用した約200種の植物を植栽展示する「北方民族植物標本園」、6月下旬〜9月に見頃を迎える「バラ園」などがあります。

広大な園内には、内回りルート(所要約45分)、外回りルート(所要約1時間30分)という散策ルートが2つ用意されているので、初めての人は、このモデルコースに沿うのがいいでしょう。
時間がないという人向きには正門→高山植物園→カナディアン・ロックガーデン→博物館→正門と巡る所要30分の「おてがるルート」もありますが、できれば開拓時代の面影を今に伝える自然林まで足を伸ばす「外回りルート」を歩いてみましょう。

また美しい熱帯植物などを栽培する温室は、冬季も温室のみ見学が可能で、唯一の通年営業の施設。

国の重要文化財群やライラックのルーツも圧巻!

開拓使の札幌博物場を再生した博物館本館

植物園内にある博物館本館(明治15年築=旧札幌博物場)、博物館事務所(明治34年築)、博物館事務所附属便所(明治36年築)、博物館倉庫(明治18年築)、博物館本館附属鳥舎(大正13年築)、植物園門衛所(明治44年築)は国の重要文化財に指定。

宮部金吾記念館(国の登録有形文化財)の正面左には、スミス女学校(明治20年開校、現・北星学園)の創始者サラ・C・スミスが明治23年にアメリカから持参したと伝えられる札幌最古のライラックが植栽され、今でも美しい花を咲かせています。

この木こそが、『ライラックまつり』が行なわれるほど「札幌の木」として定着したライラックのルーツです。

スケッチや写真撮影にも人気の洋館である博物館本館は、植物園となる以前にこの地が「札幌牧羊場」だった時代に札幌博物場として建てられたもの。
時計台ほど有名ではありませんが必見の建物といえるでしょう。

また、「博物館事務所附属便所」は国の重要文化財ながら実際に使用できることもお忘れなく。

植物園内には1000年ほど前の擦文時代(さつもんじだい)の竪穴住居も残されていますが、少しへこんでいるだけなので、見過ごしてしまいます。

芥川龍之介と北大植物園
昭和2年5月に改造社の講演旅行で札幌に立ち寄った芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)は、この植物園にも訪れ、緑したたる雰囲気を「あの植物園全體(ぜんたい)にマヨネエズをかけてしまへ」(『改造』昭和2年8月刊)と表現しています。
 

北海道大学植物園 DATA

名称 北海道大学植物園/ほっかいどうだいがくしょくぶつえん
所在地 北海道札幌市中央区北3条西8
公式HP http://www.hokudai.ac.jp/fsc/bg/
電車・バスで JR札幌駅から徒歩15分
ドライブで 道央自動車道北郷ICから約8.4km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ TEL:011-221-0066/FAX:011-221-0664

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